Waitress とは？

Flask には簡易的なウェブサーバー機能が組み込まれています。app.run() を呼び出すことで起動することができます。デフォルトで Werkzeug によるシンプルなサーバーを使用することができます。

本格的な運用では、Nginx や Apache をリバースプロキシとして利用しながら、Gunicorn などの WSGI サーバーを使う構成が一般的です。

また、Windows では、gunicorn は利用できない為、Windows で開発環境を構築する場合は、ウェブサーバーの候補としては、Waitress が候補に挙がります。Waitress は Python 製の WSGI サーバーです。

Waitress をインストールするには、以下を実行します。

pip install waitress

Waitress で Flask アプリを起動

hello ディレクトリを作成し、その中にvenvで仮想環境を作成します。

venvについては、以下のリンクを参考にしてください。

pyenv

仮想環境のなかに、Flask と Waitress をインストールします。

hello ディレクトリの中に、hello.pyというファイルを作成します。

ファイルの中を以下のようにします

hello.py

from flask import Flask
app = Flask(__name__)

@app.route('/')
def hello():
  name = "Hello World"
  return name

@app.route('/good')
def good():
  name = "Good"
  return name

if __name__ == "__main__":
  app.run(debug=True)

Waitress で Flask アプリを起動するには、以下のコマンドを実行します。

waitress-serve --listen=127.0.0.1:8000 hello:app

http://localhost:8000でブラウザから開き、Hello Worldが表示されればgunicornでアプリが起動しています。

waitress-serve --listen=127.0.0.1:8000 hello:appについては、以下の解説を参考にしてください。

waitress-serveは、Waitress の CLI コマンドで、WSGIサーバーを起動。

--listen=127.0.0.1:8000は、ローカルホスト (127.0.0.1) のポート8000 でリクエストを受け付けるように設定

hello:appは、hello.py のファイル内にあるappという Flask アプリを起動する指定です。

helloは、ファイル名でappは、Flask オブジェクト（app = Flask(__name__)）を指します。

ログの表示

初期の状態では、Waitress はログの表示がされません。ログを出力するには、いくつかの方法があります。

まず、paste.translogger.TransLoggerを使う方法の場合、リクエストごとのログを Apache のログ形式で出力できます。

pasteをインストールするには、以下のコマンドを実行します。

hello.py

import logging
from flask import Flask, request
from waitress import serve
from paste.translogger import TransLogger

app = Flask(__name__)

@app.route('/')
def hello():
  name = "Hello World"
  return name

@app.route('/good')
def good():
  name = "Good"
  return name

if __name__ == "__main__":
  logging.basicConfig(level=logging.INFO)
  serve(TransLogger(app), host='127.0.0.1', port=8000)

以下のコマンドを実行し、アプリを起動します。

python hello.py

werkzeug ロガーのログを使って表示するには、以下のようにします。

hello.py

import logging
from flask import Flask, request
from waitress import serve

app = Flask(__name__)

# `werkzeug` のロガーを設定
log = logging.getLogger('werkzeug')
log.setLevel(logging.DEBUG)
log.addHandler(logging.StreamHandler())  # コンソール出力を有効化

# 各リクエストのログを記録
@app.before_request
def log_request():
  log.info(f"Request: {request.method} {request.path}")

@app.route('/')
def hello():
  name = "Hello World"
  return name

@app.route('/good')
def good():
  name = "Good"
  return name

if __name__ == "__main__":
  serve(app, host='127.0.0.1', port=8000, _quiet=False)